【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜
「榎本先生、奥さんのことすごく大切にしてるんですよ? 本当に優しいですよね」
「確かに、優しそうですもんね」
なんて言ってもらってる僕だけど、この日まさかあんな場面を目撃することになるなんて、夢にも思ってなかったーーー。
◇ ◇ ◇
「榎本先生、二次会行きます?」
「いや、僕は妻がもう帰ってきてると思うので、今日はこのまま帰ります」
「そうですか。お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
教育実習生の歓迎会を終え、二次会に向かう人と帰る人で分かれたようだ。
でも僕は里織が待ってるからと思い、そのまま二次会へは参加せず、帰宅することにした。
「里織、もう帰ったかな」
里織に仕事終わったの?と連絡したんだけど、既読にならないんだよね。 まだ仕事してるのかな……。
里織は頑張りすぎちゃう所があるから、あまり無理しないでほしいな。
僕たちの住むアパートに着いた僕は、部屋の前で鍵を差したのだが……。
「……ん?」
え、鍵が開いてる……?
おかしい、僕は確かに家を出る時に鍵を閉めたはずだ。
なのになぜ、鍵が開いているのか……。
僕はそっとドアを開けて、中へと入る。