【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


 ……ん? あれ、どうしてだ?

 どうして部屋は暗いのに、里織の靴があるんだろう? それに……僕のではない靴が置いてある。

 里織は帰っているのかな? 帰ってきて、もう寝てる?
 だとしたら不用心だよ、里織。ちゃんと鍵を閉めないとダメだよ。

 そんなことを思いながらそっとリビングに行ってみるけど、やはり部屋は暗く誰もいない。
 トイレもいなくて、バスルームにもいない。

「あれ……いない?」

 いや、そんな訳ない。あれは里織の靴だ。
 里織は帰ってきているはずだ。いない訳はない。
 
「まさか……」

 里織はベッドルームにいる? でもだとしたら、あのもう一人の男性の靴は誰のだ?
 あれは僕のものでは無い。サイズだって明らかに違っていた。

 僕は部屋の一番奥にあるベッドルームへと、足音を立てないようにそっと向かった。
 
 あれ……少しドアが開いてる? やっぱり里織がいるのだろうか?

「……ん?」
  
 なんかちょっとだけど、声が聞こえる……? これは里織の声だ。
 誰かと何か話しているのか……?

 そして僕は、そっと部屋のドアから覗くようにその様子を見てしまったーーー。
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