【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


「………。えっ……」

 やはり、そこにいるのは里織だ。……でもあの人は、誰だ……?

「あっあっ……!はや、とっ……」

「里織……そんな締め付けるなって言ってるだろ」

「だって……気持ち、いいんだもん……!」

 俺が見たその光景は、里織がそこにいる男性と身体を重ね合っている光景だった。

 僕はその光景を目の当たりにして、呆然とした。 信じられなかった。

 僕がいることにも気付かず、里織は【はやと】という名前の男性と、僕たちがいつも眠っているそのベッドの上で、激しく身体を重ね合っている。

 里織、これってまさか、不倫……? 僕はその時、そう思った。
 里織は僕という夫がいながら、他の男と不倫していたんだ……と。

「隼斗っ……イクッ!」 

「いいよ、イけよ」

 そして僕は、その光景を目の前にして、ついに声を出してしまったーーー。

「何、やってんの……里織?」

「えっ、大輝……!?」

 僕がいることに驚いた里織とその男は重ね合っていた身体を離し、僕の方に振り向いた。

「ねえ里織。これ、どういうこと?」

 僕は里織にそう聞いた。

「大輝、違うの!これは……!」

「言い訳なんて聞きたくないよ、里織。 それにこの男は誰?」
< 22 / 44 >

この作品をシェア

pagetop