【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


 この人の言うことは本当なのか?

「違う!私はそんなこと言ってないよ!? ね、信じて大輝!!」

 里織は必死に言い訳しようとして、俺の腕にしがみついてくる。

「……触らないでくれよ!汚らしい!」

 でも僕は、その腕を振り払っていた。

「大……輝……?」

 里織は泣きそうな目で俺を見る。

「そんな目で僕を見るなよ!……里織、君は何をしたか分かっているのか? 君は僕を裏切っていたんだぞ!?」

 里織の言うことは、もう信じられない。

「それなのに無理矢理とか、この人がとかって言い訳して……。恥ずかしくないのかよ!?」

 裏切られていた僕の気持ちが、里織に分かる訳ないだろ? なあ、里織。

「大輝……ごめん。ごめんな、さい……っ」

「謝られても、僕は里織のことを許さないよ。……もちろん、あなたのことも許すつもりはないですけど」

 隼斗さんにも目を向けて、僕はそう言った。

「……すまなかった」

「あなたも、婚約者を裏切っていたんですね。……このことは、あなたの婚約者にも報告させていただきますから」

「ちょっと待ってくれ! それは……それだけはやめてくれ!」

 何を今更……こうなった以上、報告しない訳にはいかない。
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