【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


「……セックスしたかったさ、僕だって」

 何度もしたいと思った。何度も何度も……。

「僕だって君を抱きたかった。君からの愛を感じたかった、もっと」

「じゃあなんで……。なんで抱いてくれなかったのよ!」

「君が仕事仕事で忙しかったから、気を遣ったんだよ。……君が仕事にばかり夢中だから、僕は君に遠慮したんだ」

 里織のことを考えたら、無理強いは出来ないと思ったんだ。

「……大輝」

「すみません隼斗さん、今日はもう帰ってもらえますか」

「……分かりました」

 隼斗さんはいつの間にか服を着ていたのか、僕の言葉に頷き、すぐ部屋を出ていった。

「……里織、里織も着替えなよ」

「う、うん……」
   
 里織は困惑したような表情で、下着や衣服を身に着けていく。

「里織、ここでのセックスは何回目だったの?」

「……え?」

「ここで何回、セックスしたの。アイツと」

 僕がいない間に、何度も里織はアイツを連れ込んでいた。 そして何度も、このベッドでセックスを……。

「……僕たちの寝室で、里織はよく平気でセックスが出来たね。信じられないよ」

「……平気な訳、ないでしょ」

 僕の言葉に、里織はそう返した。
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