【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


 僕は里織に本音を伝えた。

「……私だって愛してる、あなたのこと」

「え……?」

「愛してる、本当に本当に愛してるのよ!……でも心まで愛してもらっても、何か物足りないの。あなたからの愛がもっと欲しいって……そう思ってしまったのよ」
  
 里織は不倫した理由が、僕からの愛が足りないせいだと言った。 僕はこんなにも愛してると思ってるのに、里織はそれだけじゃ足りないと言った。
 だとしたら里織のことなんてもう、分からないーーー。

「……里織、僕もごめん。僕も君にもっと、愛してると言えば良かった」

「私は……幸せになりたいのよ、大輝……」

 里織は僕と結婚して、幸せじゃなかったということなのだろうか……。
 僕はとても幸せだった、少なくとも昨日までは。

 今日この事実を知ってしまって、もう僕たちは元には戻れない。
 戻れないんだよ、もう。……無理なんだ。

「……僕は幸せだったよ、里織。君といられて、君と結婚出来て、幸せだったんだよ」

「……っ」

「でもやっぱり僕は、君を許すことは出来ない。……ごめん、もう君のことを信じることは出来ない」
 
 僕は里織と夫婦でいるのは、もう辛い。もう無理だ……。
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