【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


「それって……別れる、ってこと?」

 里織は悲しそうに僕にそう問いかける。

「……そうするしか、ないかもね」
 
 僕はそう答えるしかなかった。

「そんな……」

 里織は俯いて、黙ってしまった。

「里織、僕たち……少し距離をおこう」

「……え?」

「このままだと僕は、君を拒絶してしまいそうなんだ。……だから僕たち、距離を置いたほうがいいと思う」
  
 今の僕たちは冷静ではいれらない。冷静な判断が出来なくなる。

「……私たち、もう終わりなんじゃないの?」

「まだ分からない。……だからこそ、距離を置いた方がいいと思うんだ」

「……そっか」

 今の僕には、里織を責める資格なんてない。 だって僕は、里織の寂しさに気付いてあげられることが出来なかったから。

 だからこそ、もう一度冷静になって考えないとイケないことだと思う。
 お互いの人生を尊重しなければならないことも、あると思うし。

「僕はしばらく、兄貴の所に泊めてもらうから、里織はここにいなよ」

「……大輝」

「お互いに落ち着いたら、また話し合おう」

 僕は里織にそう言うと、そのまま寝室を後にする。

「……もしもし、兄貴?」

「大輝、どうした?」
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