【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜
✱ ✱ ✱



 里織と距離を置いてから、二週間が経った。

「大輝、風呂出たぞ」

「ありがとう、兄貴」

「……大輝、里織ちゃんとのこと、どうするんだ?」
 
 兄貴はタオルで髪を拭きながら、俺に視線を向けてくる。

「どうするって……?」
 
 正直に言うと……もう離婚するしかないと思ってる。

「里織ちゃんと、離婚するのか?」

「……まだ分からない」

 正直に言うと、僕も分からない。

「そもそも、なんで距離を置いてるんだよ」

「……里織が、不倫してたんだ」

 それを聞いた兄貴は「え!? 里織ちゃんが不倫……!?」と声を荒げた。

「……そうなんだ。家に男を連れ込んでいたんだ。 そこで里織が……不倫相手とセックスしてた」

「え……!?」

「僕、その現場見たんだ」 

「おい、マジかよ……」

 まあ、そうなるよな……。里織が不倫してるなんて、兄貴も思ってなかっただろうし。

「……里織が不倫した理由を聞いたんだ。 そしたら里織……セックスレスだったことが原因だって、僕に言ったんだ」

 兄貴はタオルをテーブルに置くと「大輝と里織ちゃん、セックスレスだったのか……?」と聞いてくる。

「……実は、そうだったんだ」

「そっか」
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