【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜
結婚二年目の決意
それからしばらくしてーーー。
「もしもし……里織?」
「大、輝……?」
僕は仕事を終えた後、久しぶりに里織に電話をした。
「……里織、今日時間ある?」
「時間……あるよ」
電話越しの里織の声は枯れていて、今にも泣きそうだった。
「僕たち話し合おう、今後のこと」
「……ごめんね、大輝。私……すごく反省してる」
里織は僕にそう言って、黙ってしまった。
「じゃあ今日、家に帰るから。里織もなるべく早く帰ってきてね」
「……うん、分かった」
里織にそう告げた僕は、電話を切った。
「もしもし、兄貴?」
そして今度は、兄貴に電話をする。
「大輝?どうした?」
「僕……今日里織の所に帰るよ」
「……そっか。帰るのか」
兄貴の声は、なんだかホッとしているようにも聞こえた。
「泊めてくれて、ありがとう。……ちゃんと話し合ってくるよ」
「ああ。またいつでも、俺の所に来いよ。美味い物作ってやるから」
「ありがとう……兄貴」
兄貴に「じゃあ、切るな」と伝え電話を切った僕は、買い物を済ませてそのまま自宅へと戻った。
「ただいま……」
「おかえり、里織」
「大輝……」
里織は十九時半ごろ、帰宅した。