【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


「……大輝」

 里織はうつむき、涙を流していた。

「僕はこれからも、里織の夫でいたいんだ。だって君のことをこんなにも愛してるんだよ?……なのに別れるなんて、僕にはそんなこと出来ない」

 何度も考えた。里織のために僕が出来ることは何だろうって。
 
「大輝……ごめん……。本当にごめんなさい」

「……里織、僕たちはまだやり直せると思ってる。 だから、もう二度と不倫はしないと誓ってくれないか?」

 里織が今回のことでよく反省してるのは分かった。
 だからこそ、同じ過ちを繰り返さないでほしいと願ってる。

「……誓う。誓うよ、大輝。もう二度と大輝を苦しめるようなことはしないって約束する」

 里織のその言葉を、僕は信じる。僕は里織の夫だから。
 妻の不貞行為を許すことは難しいと思うけど、それでももう一度夫婦として、一からやり直したいんだ。
 
 里織がまたたくさん笑ってくれるように、里織がたくさん幸せだと思えるように、僕はこれから里織のことを愛していきたい。
 里織の笑顔が僕は大好きだから。

「うん、約束だよ里織」

「うん。……ありがとう、大輝」

「里織、僕の方こそ……寂しい思いをさせてごめん」

「ううん……」
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