【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


「ねぇ、大輝……」

「ん?」

 行為が終わった後、温もりのあるベッドの中で、里織はこう問いかけてくる。

「大輝さ、あの時……知り合いに弁護士がいるって言ってたよね?」

 あ、確かにそれは言ったけど……。

「……実はあれ、ウソなんだ」

「え……!?」

 それを言うと里織は、驚いてベッドから起き上がった。

「う、ウソだったの?」

「うん、ウソだよ。知り合いに弁護士なんている訳ないだろ?」

 あの時は頭が混乱していたから、つい口からでまかせ言ってしまっただけだ。

「なんだ、ウソだったの……」

「ごめん、騙して」

「でもあの時は、本当にもう無理だと思ってたよ。……もう絶対、離婚されると思ってたし」
 
  里織は再び、ベッドに潜り込む。

「あのね、隼斗……あの人、婚約破棄されたんだって」

「え、そうなの?」

 いつの間に婚約破棄をされてたの?

「私の他にも、不倫相手がいたんだって。それが婚約者にバレて、婚約破棄されたんだって」

「そうなんだ……」

 里織以外にも不倫相手がいたの? それは自業自得だよ。
 婚約破棄されても仕方ないか……。

「自業自得だね」

「そうだね」

 でももう、僕たちは大丈夫。壁を乗り越えたから。



【完結】
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