【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜
「里織、ちょっといい?」
「ん?どうしたの?」
季節は夏から秋へと変わり始め、僕の学校では修学旅行シーズンへと突入した。
僕は二年二年の副担任をしており、その修学旅行のため三泊京都へと行くことになった。
「覚えてる?修学旅行のこと」
「修学旅行?……あ、そっか。修学旅行で京都に行くんだっけ、大輝」
「そう」
今年の修学旅行は京都になったが、僕は里織と離れるのは寂しい気持ちになる。
「明後日からだよね」
「そう。寂しいな、里織に会えないなんて」
すっかり肌寒くなり、カーディガンなどの羽織は必要になりそうだ。
里織が買ってくれたカシミヤのカーディガンでも着て行こうかな、なんて思ってる。
「でも三日我慢すれば、大輝に会えるね」
「三日も会えないなんて、寂しすぎるよ」
里織にそっと抱きつくと、里織は「もう、大輝は本当に子供っぽいんだから」と口を開く。
「だって里織のこと愛してるし」
「私も愛してるよ、もちろん」
その言葉を、僕は信じて疑わなかった。
「修学旅行のお土産、何がいい?里織がほしいもの、買ってくるよ」
「本当に?嬉しい」
里織は本当に可愛い。