【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


 その日の夜、夜遅くに寝室の外から里織が誰かと電話している声が聞こえた。

「うん……私もだよ」

 里織……?

「明後日から旦那いないし」

 誰と何を話してるんだ……?

「もちろんよ。……じゃあまた明後日に」

 里織は電話を終えると、そっとベッドの中へと戻っていく。

 電話の内容的に、里織は誰かと会う約束をしていたような気がする。
 電話の相手は、里織の友人だろうか……?

 まあ友人と会うくらい普通だけど、僕もいない訳だし、友人と遊ぶのもいいよねたまには。
 里織はいつも、頑張っている訳だし。

 たまにはご褒美も必要だからね。





 そして修学旅行の日、僕は里織に見送られながら、家を出た。

「おはようございます、加藤先生」

「榎本先生、おはようございます。 いいお天気で良かったですね」

「そうですね。修学旅行日和ですね」

 僕と担任の加藤先生は、朝職員玄関でそう挨拶をした。

「みんな楽しみにしてましたし、思い切り楽しんでほしいですね」

「そうですね。念願の修学旅行、ですしね」
 
 生徒は特に、修学旅行をとても楽しみにしていたから。

 そして三日間の修学旅行が、始まった。
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