【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


 最初はたった一回だけ、と思っていた。
 一回だけなら、旦那にもバレることはない。……そんな甘い考えが頭に浮かんだ。

 だけどその一回のセックスで、私は隼斗に抱かれることの嬉しさも感じてしまった。
 それ以来、隼斗の関係を持ち続けてしまっている。

「隼斗……隼斗にも婚約者いるのに、こんなことしてていいの?」

 隼斗はもうすくで結婚してしまう。婚約者がいるんだ。
 でも婚約者がいるのに、隼斗は私との関係を続けている。

「大丈夫だって。アイツ俺にベタぼれだし、バレることはないよ」

「……どうしてそう言い切れるのよ」

 隼斗の婚約者はとても可愛いらしい人だ。おしとやかで品があって、上品な人。
 隼斗にピッタリの婚約者だ。私なんかよりずっと、隼斗は幸せになれるはずだ。

「アイツは俺しか見てないしな。 それに……」

「それに……?」

 裸のままベッドの横になる隼斗に視線を向ける。

「アイツともちゃんとセックスはしてる。 アイツとのセックスの時は、俺も避妊はしてない」
 
 隼斗と婚約者が結婚してしまえば、私との関係も終わるだろう。

「避妊、してないんだ……」

 もちろん私とのセックスの時は、避妊する。
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