秘密の恋は何色?
華菜は家に着くなりすぐに自分の部屋に入った。
そしてベッドにダイブして怒りを枕にぶつけた。
「もうっ!もうっ!!もうっ!!!何なの、あの失礼な人は!!!!」
ぼふぼふと枕をたたく華菜。
使用人や家族の誰かが見たら驚くだろうその行為。
小さい頃から英才教育や淑女教育を受けている彼女からは考えられないその行為。
それでも―!!!
「もうっ!もうっ!もうっ!!!」
ぼふぼふぼふ。
気が済むまで華菜は枕をたたき続けた。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
しばらくたたき続けてようやく落ち着きを取り戻す。
「……学校選ばないと。」
そう思いなおしてカバンの中からパンフレットを探す。
「……あれっ?」
カバンの中をどれだけ探しても見つからない。
「まさか…。」
保健室に置いてきた?
サッーと血の気が引く。
あの華菜が。怒りのあまり忘れた?
完璧な淑女と言われてる私が―?
「取りに戻らなきゃ!」
そういうと華菜は部屋を飛び出そうとした。しかし―
保健室にまだあの男がいたら?
そんな思いが頭をよぎる。
「いえ、さすがにもういないでしょ。」
そう思いなおして学校にもう一度戻った。

この時の選択を華菜は後悔することになる。
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