ワケありイジワル王子はツンデレ姫様を溺愛したい。

王子とランチ

【梨愛side】


どうしてこうなった。




「ねーねー、君名前は?お弁当自分で作ってるの?」




梨愛の隣でそう質問攻めしてくるのは、今朝純麗と話したばかりのこの学園の王子、清美拓也。




なんで梨愛とお昼食べてるのよ!!




梨愛は純麗と食べたかったのに………。




どうしてくれるの!?といった思いを込めてキッと睨む。




「………?僕の顔に何かついてる?」




そうじゃない!!




勝手に着いてきて………こういう顔だけの人って梨愛好きじゃない。




「あの、もう帰ってもらえます?梨愛は友達と食べる約束してるんで。」




「へー、君リアちゃんって言うんだ。可愛い名前だね!」




だめだ、聞いてない。




もう!




確かに、ちょーっとだけ顔はかっこいいけど、この人勝手すぎる!!




そんな事を思っていれば。




「ねーリアちゃん、体重何キロ?」




なんて聞かれて。




はあ!?この人デレカシーって言葉知らないの!?




って、梨愛さっきこの人にお、お……




「お姫様抱っこされたー!!!!」




恥ずかしさのあまりその場から立ち去ろうとすると、グイッと手を後ろから引っ張られて。




そして耳元で呟かれる。




「またおいで、リアちゃん」




甘い声で、でもちゃんと男の子の声で。




そして梨愛の顔は林檎のよう。




し、心臓に悪いっ。




梨愛は教室へと一目散に走った。




あ、あいつの事が……か、かっこいいとか……思ってないもん!!


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