8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~3
岩場だが、すり鉢状に大きな穴が掘られていて、そこに採掘口が見える。地面は石がゴロゴロ転がっている。緑もまったくないわけじゃないが、聖獣の住処というには、荒涼としているように思えた。
「ここがチャドの故郷なの? どこに住んでいたの? 仲間はいないの?」
『うるさい娘だな』
矢次早に質問するアイラに、チャドは辟易したように言う。
「あ、そんな言い方するんだ。言っておくけど私、気配辿るのは上手なんだよ? 鉄があるかないかだって、調べられるかもしれないんだよ?」
『〝かもしれない〟レベルで偉そうに言うな!』
今回の移動の目的をリーフェに告げたら、それなら……と言って教えてくれたのだ。
植物や鉱物にも生命エネルギーのようなものが宿っていて、アイラならそれが見えるはずだと。
ちなみに、リーフェもやってみたらしく、『多分もうないと思うけれど、アイラの方が細かいことが得意だからやってみればいい』と言われてしまった。
オリバーは立ちすくみ、周囲を見回している。
吹っ切れたつもりではいるが、いざこの土地に足をつければ、地震の記憶がよみがえってくる。ドルフが時を戻してくれて本当によかったとは思う。だけど、自分のやったことが消えることはない。少なくとも、自分の記憶からは。
「オリバー、大丈夫?」
アイラの声に、オリバーは我に返る。
「う、うん」
いつのまにか、アイラが手を握ってくれている。その温かさに、現実に引き戻された気がした。
「ひとりじゃないよ、オリバー」
「うん。ねぇ、アイラ。もし僕が間違いそうになったら……」
「私が止める。絶対。誰かを傷つけたら、オリバーの方が傷つくんだもん。私、ちょっとだけどお姉ちゃんだからね。オリバーの事、絶対に守るから!」
自分のことを理解してくれる人が、傍にいてくれるのはなんて幸せなことだろう。
オリバーは大きくうなずいて、正面を見る。
「じゃあまずは、アイラにここに鉄があるかどうか確認してもらおう」
鉄の放つ生命エネルギーを確認するためには、まず鉄が多く含まれたものに触る必要がある。
「これが鉄ね」
鉱山口に向かって伸びている線路に手を当て、アイラはその感覚をしっかり体に覚えさせた。
「……よし、わかった」
その後、アイラは場所を移し、地面に向けて手を当てた。
「ここがチャドの故郷なの? どこに住んでいたの? 仲間はいないの?」
『うるさい娘だな』
矢次早に質問するアイラに、チャドは辟易したように言う。
「あ、そんな言い方するんだ。言っておくけど私、気配辿るのは上手なんだよ? 鉄があるかないかだって、調べられるかもしれないんだよ?」
『〝かもしれない〟レベルで偉そうに言うな!』
今回の移動の目的をリーフェに告げたら、それなら……と言って教えてくれたのだ。
植物や鉱物にも生命エネルギーのようなものが宿っていて、アイラならそれが見えるはずだと。
ちなみに、リーフェもやってみたらしく、『多分もうないと思うけれど、アイラの方が細かいことが得意だからやってみればいい』と言われてしまった。
オリバーは立ちすくみ、周囲を見回している。
吹っ切れたつもりではいるが、いざこの土地に足をつければ、地震の記憶がよみがえってくる。ドルフが時を戻してくれて本当によかったとは思う。だけど、自分のやったことが消えることはない。少なくとも、自分の記憶からは。
「オリバー、大丈夫?」
アイラの声に、オリバーは我に返る。
「う、うん」
いつのまにか、アイラが手を握ってくれている。その温かさに、現実に引き戻された気がした。
「ひとりじゃないよ、オリバー」
「うん。ねぇ、アイラ。もし僕が間違いそうになったら……」
「私が止める。絶対。誰かを傷つけたら、オリバーの方が傷つくんだもん。私、ちょっとだけどお姉ちゃんだからね。オリバーの事、絶対に守るから!」
自分のことを理解してくれる人が、傍にいてくれるのはなんて幸せなことだろう。
オリバーは大きくうなずいて、正面を見る。
「じゃあまずは、アイラにここに鉄があるかどうか確認してもらおう」
鉄の放つ生命エネルギーを確認するためには、まず鉄が多く含まれたものに触る必要がある。
「これが鉄ね」
鉱山口に向かって伸びている線路に手を当て、アイラはその感覚をしっかり体に覚えさせた。
「……よし、わかった」
その後、アイラは場所を移し、地面に向けて手を当てた。