8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~3
「だから、オリバーも行きましょうよ。お兄様にエスコートしてもらうって言っていたけど、もうご結婚されているし。どこかの素敵な独身男性がエスコートしてくれたらいいのにって感じじゃないかしら」
「待って、アイラ。僕じゃ逆に迷惑をかけるから」
「迷惑なんて、誰が思うのよ。一国の王太子が。あなたは間違いなく、この国一番の優良物件よ」
いや、マーゴットはそもそも王妃になどなりたくないのではないか。
そんな疑問を、オリバーは飲み込んだ。
これでも王太子だ。国のための政略結婚と言われれば応じるつもりではあるが、もし自分で妃を選んでいいと言われれば、オリバーはマーゴットを選ぶだろう。
(……声をかけても、いいだろうか)
彼女が王妃向きの性格ではないことはわかっている。それでも、一緒に歩くのならば、自分の心を慰めてくれる人の傍に居たい。
オリバーは顔をあげ、窓から見えるよく晴れた空を見上げた。
【Fin.】