8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~3
* * *
オリバーは、ベッドの上で寝がえりを打った。
『眠れないのか?』
「うーん」
子犬姿で隣に寝転んでいるのはドルフだ。
アイラへのもやもやした気持ちを抱えたまま、眠れずにベッドでゴロゴロしていたら、ドルフが突然やってきて『一緒に寝る』と言ってくれたのだ。
オリバーがこんな気分の時、ドルフは何も言わずとも察知して、そばにいてくれる。
おかげでオリバーはこれまであまり苛立ちを持て余すことがなかったのだ。
ドルフを腕にすっぽり抱きしめ、オリバーは尋ねた。
「ねぇ。ドルフはどうして母上に加護を与えたの?」
フィオナの母国、ブライト王国は聖獣に守られた国で、王族が十三歳の誕生日を迎える時に、聖獣から加護が与えられる。オズボーン王国と違い、ブライト王国は多くの聖獣がいて、聖獣の方が気に入った王族を選び、加護を与えるのだ。
それを聞いたオリバーは、なぜドルフほどの力のある聖獣が、女性である母を選んだのか、純粋に疑問だった。
『大した理由などない。フィオナを気に入ったからだな。ペットにしてやろうと思って』
「ペット? 何それ。ドルフが母上のペットなんじゃないの?」
『お前にはまだ難しいかもしれないが、俺はフィオナをペットとしてかわいがっているんだ。ペットの身を守ってやるのは、飼い主として当たり前の義務だろう?』
「僕、よくわからないよ」
かわいらしい子犬姿で、とんでもないことを説明するドルフがおかしくて、オリバーは笑ってしまう。
でも、ペットでも何でも、ドルフのような強い存在に守られている母のことはうらやましかった。
「いいなぁ。母上」
『お前にも、リーフェがちゃんと加護を与えているだろう』
「でも、リーフェはアイラの方が好きだから」
オリバーのつぶやきに、ドルフは片眉を上げる。
『リーフェにどっちが好きっていう感覚はなさそうだけどな。あいつは俺たちが思うよりずっと、何も考えていないぞ』
「でもさ、アイラとの方が、仲がいいし」
オリバーは、ベッドの上で寝がえりを打った。
『眠れないのか?』
「うーん」
子犬姿で隣に寝転んでいるのはドルフだ。
アイラへのもやもやした気持ちを抱えたまま、眠れずにベッドでゴロゴロしていたら、ドルフが突然やってきて『一緒に寝る』と言ってくれたのだ。
オリバーがこんな気分の時、ドルフは何も言わずとも察知して、そばにいてくれる。
おかげでオリバーはこれまであまり苛立ちを持て余すことがなかったのだ。
ドルフを腕にすっぽり抱きしめ、オリバーは尋ねた。
「ねぇ。ドルフはどうして母上に加護を与えたの?」
フィオナの母国、ブライト王国は聖獣に守られた国で、王族が十三歳の誕生日を迎える時に、聖獣から加護が与えられる。オズボーン王国と違い、ブライト王国は多くの聖獣がいて、聖獣の方が気に入った王族を選び、加護を与えるのだ。
それを聞いたオリバーは、なぜドルフほどの力のある聖獣が、女性である母を選んだのか、純粋に疑問だった。
『大した理由などない。フィオナを気に入ったからだな。ペットにしてやろうと思って』
「ペット? 何それ。ドルフが母上のペットなんじゃないの?」
『お前にはまだ難しいかもしれないが、俺はフィオナをペットとしてかわいがっているんだ。ペットの身を守ってやるのは、飼い主として当たり前の義務だろう?』
「僕、よくわからないよ」
かわいらしい子犬姿で、とんでもないことを説明するドルフがおかしくて、オリバーは笑ってしまう。
でも、ペットでも何でも、ドルフのような強い存在に守られている母のことはうらやましかった。
「いいなぁ。母上」
『お前にも、リーフェがちゃんと加護を与えているだろう』
「でも、リーフェはアイラの方が好きだから」
オリバーのつぶやきに、ドルフは片眉を上げる。
『リーフェにどっちが好きっていう感覚はなさそうだけどな。あいつは俺たちが思うよりずっと、何も考えていないぞ』
「でもさ、アイラとの方が、仲がいいし」