8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~3
フィオナと対面のソファに座っているのは、ポリーである。肩までの髪の小さな女の子が彼女の隣に座っていて、ポリー自身はまだ赤子の男の子を抱っこしている。
ポリーは、上の子──今年三歳になるデイジーを出産するときに、侍女を辞め、家庭に入っていた。その後は孤児院支援のための相談役として、たびたび城を訪れてはいたが、この一年は下の子の出産・育児でご無沙汰していたので、アイラもオリバーも久しぶりの対面となる。
「わあ、赤ちゃん! 見せて見せて!」
ポリーは挨拶をするために一瞬立ち上がろうとしたが、先にアイラが近寄って行ったのでタイミングを逃したようだ。
「かわいい!」
「ありがとうございます。バージルというのですよ」
ポリーは座ったままうれしそうに答えている。すぐにその場が和やかな雰囲気に包まれ、なんとなく出遅れたオリバーは、それを眺めることしかできなかった。
「お帰り、オリバー」
手招きをしてくれたのはフィオナだ。
「た、ただいま、母上」
「こっちにいらっしゃい。ポリーにね、乳母としてまた仕えてもらうことにしたのよ」
「またしばらくご厄介になります!」
既婚女性らしく髪を結いあげたポリーは、片手で赤子を抱えたまま、大きく礼をする。
アイラはバージルの頬をつんつんとつつき、喜色を浮かべている。
「やーん。かわいい!」
「アイラさま。そーっと、そーっとよ」
デイジーが小さいながらおねえちゃんぶりを発揮していて、かわいらしい。アイラもそう思ったようで、「あーん。デイジーもかわいい!」とぎゅっと抱きしめた。
「わわ、アイラさま。くるしいです」
と言いつつも、デイジーの顔はほころんでいる。
アイラは小さい子が好きなので、ポリーが子供を連れてくると大喜びだ。デイジーが小さい時も、よく抱っこをさせてもらっているのを見たが、オリバーは怪我をさせてしまいそうで、あまり積極的には触れない。
ポリーは、上の子──今年三歳になるデイジーを出産するときに、侍女を辞め、家庭に入っていた。その後は孤児院支援のための相談役として、たびたび城を訪れてはいたが、この一年は下の子の出産・育児でご無沙汰していたので、アイラもオリバーも久しぶりの対面となる。
「わあ、赤ちゃん! 見せて見せて!」
ポリーは挨拶をするために一瞬立ち上がろうとしたが、先にアイラが近寄って行ったのでタイミングを逃したようだ。
「かわいい!」
「ありがとうございます。バージルというのですよ」
ポリーは座ったままうれしそうに答えている。すぐにその場が和やかな雰囲気に包まれ、なんとなく出遅れたオリバーは、それを眺めることしかできなかった。
「お帰り、オリバー」
手招きをしてくれたのはフィオナだ。
「た、ただいま、母上」
「こっちにいらっしゃい。ポリーにね、乳母としてまた仕えてもらうことにしたのよ」
「またしばらくご厄介になります!」
既婚女性らしく髪を結いあげたポリーは、片手で赤子を抱えたまま、大きく礼をする。
アイラはバージルの頬をつんつんとつつき、喜色を浮かべている。
「やーん。かわいい!」
「アイラさま。そーっと、そーっとよ」
デイジーが小さいながらおねえちゃんぶりを発揮していて、かわいらしい。アイラもそう思ったようで、「あーん。デイジーもかわいい!」とぎゅっと抱きしめた。
「わわ、アイラさま。くるしいです」
と言いつつも、デイジーの顔はほころんでいる。
アイラは小さい子が好きなので、ポリーが子供を連れてくると大喜びだ。デイジーが小さい時も、よく抱っこをさせてもらっているのを見たが、オリバーは怪我をさせてしまいそうで、あまり積極的には触れない。