8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~3
『みんな、うるさいよぉ』
そこにやって来たのは子犬姿のリーフェだ。
文句を言っているのだが、フィオナと双子以外には「キャン」としか聞こえないため、デイジーは喜んで近づいていった。
「ワンちゃん!」
『うわあ、小さい子だ』
リーフェは一瞬たじろいだものの、デイジーの触り方が優しいからか、動かずにじっとしていた。目を細めているところを見れば、気持ちがいいのだろう。
(リーフェ、うれしそうだな)
白いしっぽがブンブン揺れている。
オリバーが思うに、リーフェは基本的に女の子が好きなのだ。オリバーよりもアイラと共にいたがるのは、そういう理由もあるのだと思う。
(僕、ここにいていいのかな)
赤子以外は女性ばかりという環境に、オリバーはだんだん、居心地が悪くなってきた。
「オリバー?」
「僕、剣術のけいこがあるから、行くね」
「オリバー? まだ早いんじゃ……」
フィオナの声を背中に聞きながら、オリバーは、そそくさとその場を抜け出した。
後宮にある食堂で、フィオナと双子はともに夕食をとっていた。六人程度の食事が乗るといっぱいになってしまうテーブルに、短辺にフィオナ、長辺にオリバーとアイラが並ぶ形で座っている。
「でね? 合唱祭で、私、ソロパートを歌えることになったの!」
「まあ。すごいじゃないの、アイラ」
「視察、お父様来てくれるよねぇ」
「そうね。私も聞きに行きたいけれど、ひと月後は臨月だもの。さすがに無理かしら」
「練習するときに、お腹の赤ちゃんにもその時にいーっぱい聞かせてあげる!」
そこにやって来たのは子犬姿のリーフェだ。
文句を言っているのだが、フィオナと双子以外には「キャン」としか聞こえないため、デイジーは喜んで近づいていった。
「ワンちゃん!」
『うわあ、小さい子だ』
リーフェは一瞬たじろいだものの、デイジーの触り方が優しいからか、動かずにじっとしていた。目を細めているところを見れば、気持ちがいいのだろう。
(リーフェ、うれしそうだな)
白いしっぽがブンブン揺れている。
オリバーが思うに、リーフェは基本的に女の子が好きなのだ。オリバーよりもアイラと共にいたがるのは、そういう理由もあるのだと思う。
(僕、ここにいていいのかな)
赤子以外は女性ばかりという環境に、オリバーはだんだん、居心地が悪くなってきた。
「オリバー?」
「僕、剣術のけいこがあるから、行くね」
「オリバー? まだ早いんじゃ……」
フィオナの声を背中に聞きながら、オリバーは、そそくさとその場を抜け出した。
後宮にある食堂で、フィオナと双子はともに夕食をとっていた。六人程度の食事が乗るといっぱいになってしまうテーブルに、短辺にフィオナ、長辺にオリバーとアイラが並ぶ形で座っている。
「でね? 合唱祭で、私、ソロパートを歌えることになったの!」
「まあ。すごいじゃないの、アイラ」
「視察、お父様来てくれるよねぇ」
「そうね。私も聞きに行きたいけれど、ひと月後は臨月だもの。さすがに無理かしら」
「練習するときに、お腹の赤ちゃんにもその時にいーっぱい聞かせてあげる!」