8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~3
オリバーは、時折うなされていて、フィオナが手を握ると、無意識だろうが強く握り返してきた。
フィオナは、苦しそうな息子を見ていて、胸がかきむしられるようだ。
「オリバーが言っていた友達って、あなたのことなのね。チャド」
『……友達?』
チャドが、薄暗い表情で、聞き返す。
「そうよ。友達の力になってあげたいって言っていたの。でも迷っているって。地震を起こすための協力を求められていたのなら、悩んで当然ね。……もっとちゃんと聞き出していればよかった。私、あの子の背中を押してしまったのよ。友達ならば、力になってあげるといいって。どんなことになっても一緒に責任を取るから、思うようにやってみなさいって」
『そんな話をしていたのか』
ドルフが意外そうな顔をした。
「オリバーが相談してくるのは珍しいから、あの子の心のままに動いてほしかったの。それが結果として、この子をこんなに傷つけることになるなんて」
苦しそうに夢の中でもうめくオリバーを、フィオナは潤んだ瞳で見つめた。落ち込んでいるのが伝わるのか、ドルフが背中に顔をこすりつけてきた。
『自分を責めるな。俺も同罪だ。オリバーの増幅能力をもってしても、人や建物への被害が出ない程度の力だと、一応確認してからいったんだ。あの場で、チャドの力が突然増えたのは予想外だった』
「チャド、あなたは知っていたの? オリバーをだましたの?」
フィオナの問いかけに、チャドはゆっくり首を振る。
「……オリバーをだましたつもりはない。本当に、脅し程度の地震を起こすだけのつもりだったのだ。地下の守りに使っていた我の力が戻って来たのは、予想外だった」
「そう。ならいいわ」
さらりと流され、チャドは近寄ってフィオナをのぞき込む。彼女の頬には涙が伝っていた。
「ドルフのおかげで被害はないのでしょう?」
『オリバーの精神以外はな』
「仕方ないわ。……自分の力が及ぼす影響を自覚するには、必要なことだもの。この子が立ち直るまで、傍にいるわ」
「うう……」
ふと、オリバーがうめく。
「オリバー、大丈夫?」
「はは、……うえ。ちちうえが、僕……」
「オスニエル様は大丈夫よ。強いもの」
「僕の……せい。みんな、傷つけて……ごめ、……なさい」
オリバーの瞳から、涙がポロリとほほを伝う。
フィオナは、苦しそうな息子を見ていて、胸がかきむしられるようだ。
「オリバーが言っていた友達って、あなたのことなのね。チャド」
『……友達?』
チャドが、薄暗い表情で、聞き返す。
「そうよ。友達の力になってあげたいって言っていたの。でも迷っているって。地震を起こすための協力を求められていたのなら、悩んで当然ね。……もっとちゃんと聞き出していればよかった。私、あの子の背中を押してしまったのよ。友達ならば、力になってあげるといいって。どんなことになっても一緒に責任を取るから、思うようにやってみなさいって」
『そんな話をしていたのか』
ドルフが意外そうな顔をした。
「オリバーが相談してくるのは珍しいから、あの子の心のままに動いてほしかったの。それが結果として、この子をこんなに傷つけることになるなんて」
苦しそうに夢の中でもうめくオリバーを、フィオナは潤んだ瞳で見つめた。落ち込んでいるのが伝わるのか、ドルフが背中に顔をこすりつけてきた。
『自分を責めるな。俺も同罪だ。オリバーの増幅能力をもってしても、人や建物への被害が出ない程度の力だと、一応確認してからいったんだ。あの場で、チャドの力が突然増えたのは予想外だった』
「チャド、あなたは知っていたの? オリバーをだましたの?」
フィオナの問いかけに、チャドはゆっくり首を振る。
「……オリバーをだましたつもりはない。本当に、脅し程度の地震を起こすだけのつもりだったのだ。地下の守りに使っていた我の力が戻って来たのは、予想外だった」
「そう。ならいいわ」
さらりと流され、チャドは近寄ってフィオナをのぞき込む。彼女の頬には涙が伝っていた。
「ドルフのおかげで被害はないのでしょう?」
『オリバーの精神以外はな』
「仕方ないわ。……自分の力が及ぼす影響を自覚するには、必要なことだもの。この子が立ち直るまで、傍にいるわ」
「うう……」
ふと、オリバーがうめく。
「オリバー、大丈夫?」
「はは、……うえ。ちちうえが、僕……」
「オスニエル様は大丈夫よ。強いもの」
「僕の……せい。みんな、傷つけて……ごめ、……なさい」
オリバーの瞳から、涙がポロリとほほを伝う。