悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました【2】
病が治ってようやく政治に本腰を入れられるようになったのは嬉しいけれど、昼間に古城の庭でお菓子パーティーをしていた頃に戻りたくなる。
「浮かない顔だね。主とゆっくり過ごせているのかい? まだ新婚一ヶ月も経っていないだろう?」
「あっ、ええと、ラシルヴィスト様はちゃんと一緒にいる時間をとってくれているんです。寂しいわけじゃありませんよ」
ドミニコラさんに指摘をされて、ドキッとした。そんなに顔に出ていたかしら。
私が浮かない顔をしているのは、ラシルヴィスト様が忙しいからではない。むしろ彼は公務が増えた分、会える時間を大切にしてくれる。
もちろん愛情表現も忘れない。正妃になってからは寝室も一緒だ。
次の日の公務が詰まっているときでも、キスをしているうちに夜更かししてしまうこともしばしばある。
至って順調な甘い日々……そう思っていた。
しかし、ここのところ気づいたことがある。
彼は最近求愛行動をしない。例の、私の首に甘噛みをするアレだ。