悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました【2】


 期待を込めて尋ねたとき、ドミニコラさんは腕を組んで笑う。


「もちろんだよ。王家にまつわる研究文や、歴代の宮廷書記官が残した手記もある」


 やった! これで求愛行動について知ることができるわ。

 優しいラシルヴィスト様は、私に対して〝飽きた〟とは絶対言わない。今でもめったに笑わないし甘すぎる性格ではないけれど、どんなに忙しくても構ってくれる。

 番には求愛行動をしなくなるのが獣の習性だとわかれば、今抱えているなんとなくモヤモヤした気持ちもスッキリするはずだ。

 ドミニコラさんと別れた後、早速古城の書庫にやって来た。背の高さよりもずいぶん高い本棚が何列もある広い部屋だ。

 はしごや台があり、なんとかひとりでも書物を集められた。


「……うーん、わからないわ」


 甘噛みするクセがあるとは書いてあるものの、番に対しては噛みたくなくなるといった類の記載はない。

 まさか、本当にただ冷めただけだったりして……。


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