幼馴染は分からない【完】
「宇野くん反省してないでしょ!」
「へ?バレたかぁ。てか、宇野くんっていつまで呼ぶの、そろそろかけるって呼んでよ!」
たしかに。友達の少ない私は、男の子の中では一番仲のいいのが、宇野くんかもしれない。
仲のいいお友達って、呼び捨てで呼び合うもんね。
「か、かける?」
れん以外の男の子の前を呼ぶことはあまりないから少し緊張する。
「いいじゃんいいじゃん!」
嬉しそうに笑ってくれる、かけるに安心する。
「あ、これ私の家。」
お喋りに夢中になっていると、もう家の前についていた。
「この横山って、横山の家?」
『青山』の家の隣に並ぶ、『横山』の表札を指差すかける。
幼馴染だとは言っていたけど、家が隣だとは言ってなかったかもしれない。
「そうだよ」
「へー、お隣さんなんだ。」
「うん、」
思い出してしまった、お昼の出来事。
あの笑顔がフラッシュバックして、胸を締め付ける。