幼馴染は分からない【完】
そんなれんの後ろ姿を見て今日も落ち込む。
「あ、つむぎちゃんおはよう!」
「れんまま!おはよう〜!」
声をかけられたのは、れんのお母さん。あのイケメンなれんに遺伝子を分けただけあってすごく綺麗な人なんだ。
「れんったら、お弁当持って行くの忘れちゃって、つむぎちゃん渡してくれないかしら?」
困った顔をしするれんままの手の中には青色の巾着に包まれたお弁当。
れんままの料理は絶品なのに、忘れて行っちゃうなんて酷いよね。
そんなことを考えていると、
「じゃ、よろしくねえ〜つむぎちゃんがれんと同じ高校で良かったわぁ〜」
「え、っちょ、」
そう言って40代とは思えぬ可愛い笑顔で私にお弁当を渡し、そのまま家の中へ消えてしまったれんまま。
私まだ返事してなかったのに…。
「はぁ」
自分の手の中に収まったお弁当を見ながらため息をつく。