幼馴染は分からない【完】
「あ、あっち行こうよ!」
「ウォータースライダーしたい!」
あこあきの元気カップルについて行くだけの私たち。
あこちゃんのあきくんが並んで歩くから、私たちも自然と隣同士になるけどもちろん会話なんてない。
すごく気まずい。
「あ、すみません、」
夏休みということで、プールも人が多く、ついて行くことに必死になっていると人に当たってしまった。
「大丈夫っすよ!…あれ、お姉さん可愛いですね。」
少しチャラそうな、大学生くらいの男の人だった。
怖い、と直感的に感じた。
…ピアスだってたくさんついてる。
「えっと、」
「俺たちと遊びませんか?あ、あっちの方に連れもいるんで。」
どうしよう、震えてきた。
ナンパなんて初めてで、体が言うことを聞かない。
言葉がうまく出てこない。