幼馴染は分からない【完】
そのまま教室に入ってくるれん。
そのオーラは漆黒だった。
「お前、こいつに何しようとしてたんだよ。」
またかけるの胸ぐらを掴みそうな勢いで、つめていく。
「ん?つむぎちゃんの髪の毛のゴミ取ってただけだよ?」
ニヤリと挑発するように、れんに微笑むかける。
かけるの指に摘ままれていたのは、小さなゴミ。
「っ、」
れんの顔がみるみるうちに赤くなって行く。
「じゃ、俺帰るわ!ばいばいー!」
そう言って、かけるは光の速さで帰っていってしまった。
止める時間なんてないほど一瞬で帰っていっちゃった。
れんと二人きりの教室。
途端に心臓がうるさくなる。
「…あいつと付き合ってんの?」
目を逸らしながら聞いてくるれん。
「…ううん。付き合ってないよ。」
どうしてそんなこと聞いてくるんだろう。
れんには不思議なことばかり。