幼馴染は分からない【完】
「…れんは私のことが嫌いじゃないってこと?」
「そうだよ。」
ため息混じりの言葉。
れんの態度が私を混乱させる。
「…私たち幼馴染に戻れる?」
もう一度、中学生になる前の仲のいい幼馴染に戻りたい。
笑いかけてくれる、れんでいてほしい。
「は?絶対無理。」
そんな私の願いは儚く散った。
少し柔らかかったれんの表情は、一気に固くなった。
私はまた何かやらかしてしまったらしい。
「どうして、」
苦しくなる胸。
鼓動が震える。
「俺は幼馴染になんて戻りたくない。」
今までにないくらい、真っ直ぐと見つめられて放たれた言葉。
嫌いじゃないのに、幼馴染に戻れないってどういうこと?
…こんなんじゃ、好き同士になるんて絶望的じゃん。
「、じゃあ、今までのままなの?」
それは嫌だ。
もっと私を見てほしい。
「はぁ、もういいよ。」
そのため息と同時に、れんに抱きしめられる。
「ちょ、れん、」
何が起こったのかわからない、パニックになる脳内。
「ここまでしても分かんねぇの?」