幼馴染は分からない【完】
「れっ、横山くん痛いよっ!」
危ないれんって呼んじゃいそうになった。
教室から廊下に出たは良いものの、まだ始業前で廊下には人がいっぱいいる。
学園のアイドルであるれんが、こんな地味な私を引っ張って歩いてるなんて目立つに決まっている。
ズンズンと進んでいるれんの背中からはこれまでに感じたこともないほどの黒いオーラ。
ど、どうしよう怒ってるよ。
連れてこられたのは屋上につながる人気のない階段。
着いた瞬間乱暴に離される腕。
「いたっ、」
何回かお弁当を落としそうになってるけどなんとか死守している。
「はぁ、学校で話しかけんなって言っただろ。」
深いため息とともに、注がれた言葉。