幼馴染は分からない【完】
今にも刺さりそうな冷たい視線。ギュッと胸が痛くなる。



「ご、ごめん、でもお弁当届けてってれんままに頼まれて断れなくて」



怖くて震える体に、うまく言葉も出てこない。



「連絡してくれればどこかに取りに行ったのに。」



呆れたような表情で私を見る瞳さえ、色っぽくてカッコいいと思ってしまう私はもうどうかしてると思う。


「…だって連絡先知らないんだもん。」



れんが携帯を持ち出したのは中学生からで、もうその時はすでに私は嫌われていたので連絡先なんて知る余地もなかった。



「だからって幼馴染だってバレたらどうすんだよ。」



「バレちゃだめなの…?」




「ダメに決まってんだろ。」



迷うこともなくすぐに出た答えに、涙が溢れそうになる私。



少しれんを見ると一瞬目が合っただけで、顔を赤くしてプイッと目を逸らされた。




そしてそのまま私を置いて立ち去ってしまった。…ちゃっかりお弁当だけは受け取って。



…いつから私はこんなに嫌われてしまったんだらう。


私何かしちゃったのかな。

< 6 / 28 >

この作品をシェア

pagetop