幼馴染は分からない【完】
「はぁ、」
泣きそうになるのを堪えながら、ため息をつき、壁にもたれかかる。
「へー、二人って幼馴染なんだねっ?」
「えっ!?」
声のする方に目をやるとそこには、屋上から出てきた同じクラスの宇野かけるくんがいた。
宇野くんはれんと並ぶくらい学校で人気のあるイケメンである。れんは爽やかで、宇野くんはちょっとチャラくて危ない感じがいいとモテモテである。
そんな宇野くんにさっきの会話が聞かれてたの!?
「い、いつから聞いてたんですか…?」
「んー?全部かなぁ。」
ニコッと効果音のついたかのような笑顔が向けられる。
「ええええ、」
「つむぎちゃんは横山が好きなんだね〜」
「え!?いや、そんな、」
「隠したって無駄だよ。つむぎちゃんわかりやすいね?」
そう言って私の頬に触れた宇野くん。
「な、なにして」
「こういうの慣れてないんだ?可愛いね。」
わ、私なんか遊ばれてない?!
男の人に触られることなんてないから、どうしていいかわからないよ。