幼馴染は分からない【完】
♡♡
あれから相変わらず、れんは私とは目を合わせてくれない。
会ったって、無視して通り過ぎていくだけ。
なんだかこれまでより、れんが遠くなっているような気がしていた。
それに反するして、最近宇野くんがよく話しかけてきてくれるようになって、色んな話をするようになった。
宇野くんは話が上手で、面白い。
教室の片隅、親友のあこちゃんとお弁当を食べている時、れんが廊下で誰かと話しているのが目に入った。
「いや、それはれんが悪いでしょ!」
「何でだよっ。」
れんが話していたのは、男子バスケ部のマネージャー新木こころちゃんだった。
私が見たことのないれんの笑顔。とても楽しそうに話していた。
いつもみんな王子様スマイルじゃなくて、素顔のれんだったように思った。
美人で有名なこころちゃんと、イケメンなれん。
とてもお似合いで、二人の姿が頭から離れなかった。