私の推理ノート〜花の高校生活編〜
昔、幼馴染の海と一緒に探偵ごっこをした。物を見つけるだけのごっこだったが、いつも私が探偵をやるとすぐに見つけて「すごっ」と海が羨ましそうにほめてくれた。
その時から私は探偵を目指すようになった。
それから10年、私は高校一年生になった。
入学式が終わり帰り道、隣にいるのは海。
驚いたことに同じ高校に入学していた。
中学校のときにどこの高校行くの?と聞いても教えてくれなかったから同じ高校に入学したなんて知らなかった。
明るく面白い性格で友達が多いのに小学のときから、ほぼ毎日幼馴染だと言う事だけで登下校を共にしている。
この学校に入りたい!とだけ考えて入学したから、まったく友達がいなかった私は、また海と登下校できることに少し安心した。
この日もいつも通り海と登校し、上靴に履き替えていると「きゃー」という声が聞こえてきた。
声は登山部の部室の方からだった。
行ってみると人が倒れていた。
何かを吐いてしまっているようだ。
その叫び声を聞いた七海さんと吏津くんもやってきた。
私は、最初にその場にいた梨奈さんに話を聞いた。
梨奈さんが言うには香織さんは頭が痛いと言って薬を飲もうとしたが水もお茶もなく、梨奈さんの水筒のお茶をもらって薬を飲んだ。すると突然手足が動かなくなり嘔吐して死んでしまったらしい。
香織さんは
「私は、何もやっていない!何でAさんが」
と泣いている。吏津くんと七海さんにも話を聞いたが今は休憩時間でそれぞれ別々の所にいたから何も分からない、どうして香織さんが。としか言わなかった。
梨奈さんにはアリバイを証明する人もなくその場にいた人が梨奈さんしかいなかったことから梨奈さんが一番怪しいと思った。
梨奈さんについて知っている人に聞き込みをすると、登山部は亡くなった明るい性格の香織さん、その場にいた財閥の令嬢の梨奈さん、別々の場所にいたという鳥が好きでいつも図鑑を読んでいる吏津くんと頭が良くお花が好きで元気な七海さんの4人で活動している。
少人数で活動しているため4人はとても仲がよく、特に香織さんと梨奈さんと七海さんは部活がない日でもよく会うような仲だった。だから、梨奈さんが香織さん殺すことはないと言う意見が多くあった。
確かに部室には4人で登山したときの写真がたくさん飾ってあった。
しかし梨奈さんの水筒のお茶からアコニチンという毒が出たので今回の事件は梨奈さんが犯人ということになった。
次の日、今度は下校しようとしている時に吏津くんが走って来て、梨奈さんが死んでしまっていると言った。
しかも昨日と同じような状態で死んでしまっているということだった。
急いで行ってみると確かに昨日と同じ様に嘔吐して倒れている遺体があった。
しかし、昨日とは違う。
「海、吏津くん、七海さんはなれて!この、アーモンドのような臭いはシアン化水素、毒だから」
これを聞いて海は
「お前も危ねえだろ!お前も離れろ!」
と言っていたけれど現場の調査を続けた。色々調査しているうちに面白いものを見つけた。
昨日の聞き込みで感じた違和感。
これで全てが繋がった。
この事件の真犯人は…。
私はやっと見つけた事件の鍵で真相のドアを開けるために山へ走った。
登っても登っても見つからずそうしてるうちに雨が降ってきてしまった。
地面が滑りやすくなり行動しにくくなる。
それでも休まず探そうとしたのがだめだったんだろう。
岩だらけの坂道ですべってしまった。
どんどん体が後ろに斜めっていく。
(死ぬ瞬間って本当にスローモーションなんだ。私死ぬんだ。)
そう思ったとき、腕を捕まれ引っ張られた。「ったく。危ねぇやつだな、お前は」
といつもの声が聞こえた。
一気にいろんなことが起きすぎて気づいてなかったが、さっきから雨が当たっていない。上を見ると傘があった。
横を見ると海がいた。
海が助けてくれたんだとやっと理解した。
ありがとうと海に行った頃には雨は上がっていた。
探すのを再開してから数分、やっとたどり着いた。
そこには、昨日の事件のとき部室にあった写真と同じ場所があった。
写真と見比べるとやっぱり。咲いているはずのトリカブトが咲いていない。そこのトリカブトは根っこから抜かれていた。
トリカブトの根にはアコニチンという毒が含まれている。
入山者記録を確認したらやっぱり香織さんが死んでしまう前日来ていた。
これで確信を持てたから吏津くんと七海さんに真相を話そう。
そう思って戻ると七海さんがいなかった。
そのことに吏津くんも気づいていなかったらしい。
最悪な事態を招いてしまった。
吏津くんに七海さんの家を聞き、急いでそこに向かった。
七海さんの家に入ると七海さんはベランダから身を乗り出していた。
どうやらギリギリ間に合ったようだった。
私は、何とか説得しようと思い、口を開いた。
でも私よりも早く、
「まだ死んじゃだめだ!ちゃんと伝えたいことがある!だからまだだめだ!」
と吏津くんが言った。吏津くんの言葉は七海さんの心もみんなの心も動かす、力のある言葉だった。
吏津くんのおかげで七海さんが命を落とす事はなくなった。
机の上にはワスレナグサが置かれていた。
私は七海さんが落ち着いたことを確認し、七海さんと吏津くんに真相を話し始めた。
この事件の真犯人は七海さんあなたですよね?あなたはトリカブトの毒を梨奈さんの水筒に入れ、梨奈さんを殺すつもりだった。
でも香織さんが飲んでしまったため香織さんが死ぬことになった。
しかし、もとから香織さんも殺すつもりだったので何の心配もなかった。
香織さんを殺すはずだった計画で梨奈さんも殺し終了。
梨奈さんの横に落ちていたクローバが一瞬不思議だったけれど逆にこれが事件の鍵だった。
クローバもトリカブトも花言葉は「復讐」七海さんは仲良しに見えていつも香織さんと梨奈さんにいじめられていた。
いじめられてた原因はおそらくあなたが頭がいいということに対する嫉妬。
梨奈さんは中学までは学年一位の成績だったのに、高校になったらいつも一位はあなたが取ってしまう。
そのことに対して腹を立てた梨奈さんは香織さんと一緒にあなたをいじめるようになった。
しかも、バレないように偽装工作などもしてね。
ずっと我慢していたけれどもう耐えられなくなったあなたは二人に復讐をして終わったら自分も死のうと思ってた。
でも1つだけ後悔があった。
それは吏津くんに忘れ去られてしまうこと。だから「私を忘れないで」という花言葉を残して死のうとしていたんだよね。
私はまっすぐに七海さんの目を見つめた。
七海さんの目からは涙が溢れていた。こうして事件の真相は明らかになった。
そして、もう一つ明らかになったこと…
「これを海に渡さなきゃ」
私はそう言ってアガパンサスを持って海の家に向かった。
その時から私は探偵を目指すようになった。
それから10年、私は高校一年生になった。
入学式が終わり帰り道、隣にいるのは海。
驚いたことに同じ高校に入学していた。
中学校のときにどこの高校行くの?と聞いても教えてくれなかったから同じ高校に入学したなんて知らなかった。
明るく面白い性格で友達が多いのに小学のときから、ほぼ毎日幼馴染だと言う事だけで登下校を共にしている。
この学校に入りたい!とだけ考えて入学したから、まったく友達がいなかった私は、また海と登下校できることに少し安心した。
この日もいつも通り海と登校し、上靴に履き替えていると「きゃー」という声が聞こえてきた。
声は登山部の部室の方からだった。
行ってみると人が倒れていた。
何かを吐いてしまっているようだ。
その叫び声を聞いた七海さんと吏津くんもやってきた。
私は、最初にその場にいた梨奈さんに話を聞いた。
梨奈さんが言うには香織さんは頭が痛いと言って薬を飲もうとしたが水もお茶もなく、梨奈さんの水筒のお茶をもらって薬を飲んだ。すると突然手足が動かなくなり嘔吐して死んでしまったらしい。
香織さんは
「私は、何もやっていない!何でAさんが」
と泣いている。吏津くんと七海さんにも話を聞いたが今は休憩時間でそれぞれ別々の所にいたから何も分からない、どうして香織さんが。としか言わなかった。
梨奈さんにはアリバイを証明する人もなくその場にいた人が梨奈さんしかいなかったことから梨奈さんが一番怪しいと思った。
梨奈さんについて知っている人に聞き込みをすると、登山部は亡くなった明るい性格の香織さん、その場にいた財閥の令嬢の梨奈さん、別々の場所にいたという鳥が好きでいつも図鑑を読んでいる吏津くんと頭が良くお花が好きで元気な七海さんの4人で活動している。
少人数で活動しているため4人はとても仲がよく、特に香織さんと梨奈さんと七海さんは部活がない日でもよく会うような仲だった。だから、梨奈さんが香織さん殺すことはないと言う意見が多くあった。
確かに部室には4人で登山したときの写真がたくさん飾ってあった。
しかし梨奈さんの水筒のお茶からアコニチンという毒が出たので今回の事件は梨奈さんが犯人ということになった。
次の日、今度は下校しようとしている時に吏津くんが走って来て、梨奈さんが死んでしまっていると言った。
しかも昨日と同じような状態で死んでしまっているということだった。
急いで行ってみると確かに昨日と同じ様に嘔吐して倒れている遺体があった。
しかし、昨日とは違う。
「海、吏津くん、七海さんはなれて!この、アーモンドのような臭いはシアン化水素、毒だから」
これを聞いて海は
「お前も危ねえだろ!お前も離れろ!」
と言っていたけれど現場の調査を続けた。色々調査しているうちに面白いものを見つけた。
昨日の聞き込みで感じた違和感。
これで全てが繋がった。
この事件の真犯人は…。
私はやっと見つけた事件の鍵で真相のドアを開けるために山へ走った。
登っても登っても見つからずそうしてるうちに雨が降ってきてしまった。
地面が滑りやすくなり行動しにくくなる。
それでも休まず探そうとしたのがだめだったんだろう。
岩だらけの坂道ですべってしまった。
どんどん体が後ろに斜めっていく。
(死ぬ瞬間って本当にスローモーションなんだ。私死ぬんだ。)
そう思ったとき、腕を捕まれ引っ張られた。「ったく。危ねぇやつだな、お前は」
といつもの声が聞こえた。
一気にいろんなことが起きすぎて気づいてなかったが、さっきから雨が当たっていない。上を見ると傘があった。
横を見ると海がいた。
海が助けてくれたんだとやっと理解した。
ありがとうと海に行った頃には雨は上がっていた。
探すのを再開してから数分、やっとたどり着いた。
そこには、昨日の事件のとき部室にあった写真と同じ場所があった。
写真と見比べるとやっぱり。咲いているはずのトリカブトが咲いていない。そこのトリカブトは根っこから抜かれていた。
トリカブトの根にはアコニチンという毒が含まれている。
入山者記録を確認したらやっぱり香織さんが死んでしまう前日来ていた。
これで確信を持てたから吏津くんと七海さんに真相を話そう。
そう思って戻ると七海さんがいなかった。
そのことに吏津くんも気づいていなかったらしい。
最悪な事態を招いてしまった。
吏津くんに七海さんの家を聞き、急いでそこに向かった。
七海さんの家に入ると七海さんはベランダから身を乗り出していた。
どうやらギリギリ間に合ったようだった。
私は、何とか説得しようと思い、口を開いた。
でも私よりも早く、
「まだ死んじゃだめだ!ちゃんと伝えたいことがある!だからまだだめだ!」
と吏津くんが言った。吏津くんの言葉は七海さんの心もみんなの心も動かす、力のある言葉だった。
吏津くんのおかげで七海さんが命を落とす事はなくなった。
机の上にはワスレナグサが置かれていた。
私は七海さんが落ち着いたことを確認し、七海さんと吏津くんに真相を話し始めた。
この事件の真犯人は七海さんあなたですよね?あなたはトリカブトの毒を梨奈さんの水筒に入れ、梨奈さんを殺すつもりだった。
でも香織さんが飲んでしまったため香織さんが死ぬことになった。
しかし、もとから香織さんも殺すつもりだったので何の心配もなかった。
香織さんを殺すはずだった計画で梨奈さんも殺し終了。
梨奈さんの横に落ちていたクローバが一瞬不思議だったけれど逆にこれが事件の鍵だった。
クローバもトリカブトも花言葉は「復讐」七海さんは仲良しに見えていつも香織さんと梨奈さんにいじめられていた。
いじめられてた原因はおそらくあなたが頭がいいということに対する嫉妬。
梨奈さんは中学までは学年一位の成績だったのに、高校になったらいつも一位はあなたが取ってしまう。
そのことに対して腹を立てた梨奈さんは香織さんと一緒にあなたをいじめるようになった。
しかも、バレないように偽装工作などもしてね。
ずっと我慢していたけれどもう耐えられなくなったあなたは二人に復讐をして終わったら自分も死のうと思ってた。
でも1つだけ後悔があった。
それは吏津くんに忘れ去られてしまうこと。だから「私を忘れないで」という花言葉を残して死のうとしていたんだよね。
私はまっすぐに七海さんの目を見つめた。
七海さんの目からは涙が溢れていた。こうして事件の真相は明らかになった。
そして、もう一つ明らかになったこと…
「これを海に渡さなきゃ」
私はそう言ってアガパンサスを持って海の家に向かった。