恋愛エトセトラ
連休はなによりもの強敵
*。
みんなは待ち遠しいって言ってるゴールデンウィーク。
私はちっとも待ち遠しくなんかない。
だって、学校がおやすみになるということは、最近気になってるあの人に会えないということ。
自分のこのよく分からないキモチも、答え合わせが遠くなるし。そんな状態で、ゴールデンウィーク中にひょっこりあの人に恋人ができたりしたらイヤだなぁって。ほら、たのしそうな予感が全然しない。
連絡先聞いてデートに誘うチャンスだよって、友達には言われたけど、そんなのもわかってる。わかってた。
聞くチャンスを、絶好のタイミングを伺ってたらあっという間に1日がおわって、ゴールデンウィークに胸を躍らせていたあの人は真っ先に帰っちゃったんだもん。
ゴールデンウィークが、モヤモヤウィークになること間違いなしだよ。
「芽衣めい!」
「皐月さつきくん?真っ先に帰ったと思うのに、まだいたの?」
って、思ってたのに。
とぼとぼ校門に向かって歩いてたら、さわやかな笑顔で手を振ってくる皐月くんがいた。
昼過ぎまで雨が降ってたせいで、まだ空気はじめっとしてるはずなのに、皐月くんの髪をゆらした風は、間違いなくさらりと軽やかなもの。
「忘れもの!芽衣の連絡先知らないと、ゴールデンウィーク遊べないことに気づいて。
聞いてもいい?あと、せっかくだから一緒に帰ろ」
曇ってた私の心まで晴れにしてしまう皐月くんは、やっぱり私の太陽で。
ゴールデンウィーク中に、このキモチに名前がつく予感が、たしかにした。
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