恋愛エトセトラ
連休はなによりもの強敵

*。



みんなは待ち遠しいって言ってるゴールデンウィーク。

私はちっとも待ち遠しくなんかない。


だって、学校がおやすみになるということは、最近気になってるあの人に会えないということ。


自分のこのよく分からないキモチも、答え合わせが遠くなるし。そんな状態で、ゴールデンウィーク中にひょっこりあの人に恋人ができたりしたらイヤだなぁって。ほら、たのしそうな予感が全然しない。



連絡先聞いてデートに誘うチャンスだよって、友達には言われたけど、そんなのもわかってる。わかってた。


聞くチャンスを、絶好のタイミングを伺ってたらあっという間に1日がおわって、ゴールデンウィークに胸を躍らせていたあの人は真っ先に帰っちゃったんだもん。


ゴールデンウィークが、モヤモヤウィークになること間違いなしだよ。







「芽衣めい!」

「皐月さつきくん?真っ先に帰ったと思うのに、まだいたの?」



って、思ってたのに。


とぼとぼ校門に向かって歩いてたら、さわやかな笑顔で手を振ってくる皐月くんがいた。


昼過ぎまで雨が降ってたせいで、まだ空気はじめっとしてるはずなのに、皐月くんの髪をゆらした風は、間違いなくさらりと軽やかなもの。



「忘れもの!芽衣の連絡先知らないと、ゴールデンウィーク遊べないことに気づいて。

聞いてもいい?あと、せっかくだから一緒に帰ろ」



曇ってた私の心まで晴れにしてしまう皐月くんは、やっぱり私の太陽で。


ゴールデンウィーク中に、このキモチに名前がつく予感が、たしかにした。




< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop