君から見た世界は
「寒いなぁ」

まだ、冬が始まったばかりの12月、私は親友である夜蝶香澄の家を目指して1人、歩いていた。

「…!聖歌…ちゃん?」
「おばさん!」

中学2年生を最後に転校してしまい5年間会えなかった親友に高校卒業後会いに来ていたのだ。

「久しぶりねぇ、大きくなっちゃって!」
「ありがとうございます!あの、香澄は…」

私が香澄の事を聞くと、彼女の母の顔が歪む

「香澄はね、もういないのよ」




「え?」


もういない?
就職して家を出たとか?
だよね、一瞬不穏な考えをしてしちゃったよ
勘違いしちゃう言い方はやめてよ、おばさん

「一年前、香澄、亡くなっちゃって…連絡も無しでごめんね…」

亡くなった?香澄が?
どういうこと?
亡くなるってなんだっけ
どうしよう、もう何も分かんないよ

「聖歌ちゃん?!」

おばさんが慌てる…
何か言ってるなぁ

私は倒れてしまったらしい
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