初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー
電話の相手は弟で専務の久遠だった。急ぎの予定だったのか、琉生はYAMAMINEにいることを知っていて慌てて電話してきたらしい。
会社に戻ると、久遠は副社長室のソファーに座っていた。
「久遠。どうしたんだ、久遠がいきなり電話してくるなんて珍しいじゃないか?急ぎの用事なのか?」
「先ほど、取引先の参輝堂から発注したものが違っていたみたいで、すぐに説明して欲しいと連絡あった。すぐに対応してこちらのミスだったので謝罪した。次回参輝堂に行くときに必ず社長の好きな水ようかんを持って行って欲しい」
「わかった。お前の直接の仕事ではないのに、手間かけさせて悪かったな」
「ああ、その件は大丈夫なんだが、今日兄貴に話があるから夜時間作って欲しいんだけど...」
「相談か?」「そうじゃなくて、優海が兄貴と話があるらしい...」「あ、わかった。今日は、会食もないから大丈夫だと思う」
「久遠、やっと探していたあの子に会う事ができたよ。変わってなかった。あの時と同じうつむきがちだったけど、純真な眼は変わっていなかった」
琉生は真摯な表情で久遠に告げた。
「兄貴、あの子に会えたのか?」「ああ、やっと話すことができた。あのネックレスも大切に持っていてくれていた」
「そうか...」久遠は黙ってしまった。
「もう、5年もたってしまったから。会えないと思っていた」久遠は少し苦しそうに顔をゆがめた。
「じゃあ、今日19時に『ディアモンテ』に来てくれよ。待ってるから」久遠は静かに出ていった。
琉生は少し早く『ディアモンテ』に着くと、もう個室に優海が待っていた。
「琉生君、ごめんね。来てくれてありがとう」琉生はテーブルに二人分しかセッティングされておらず、久遠は来ないことを悟った。
「もしかして、久遠は今日来ないの?」「当たり前だよ。なぜ婚約者の食事に久遠が来るのよ。私、楽しみにしていたんだから早く食べよう」
「優海、前から言ってるけど俺たちは正式に婚約したわけじゃないだろ。親たちがそう思ってるだけなんだから...」「そんなことより食事しよう」優海は静かに食事を始めた。
琉生は小さくため息をついた。
会社に戻ると、久遠は副社長室のソファーに座っていた。
「久遠。どうしたんだ、久遠がいきなり電話してくるなんて珍しいじゃないか?急ぎの用事なのか?」
「先ほど、取引先の参輝堂から発注したものが違っていたみたいで、すぐに説明して欲しいと連絡あった。すぐに対応してこちらのミスだったので謝罪した。次回参輝堂に行くときに必ず社長の好きな水ようかんを持って行って欲しい」
「わかった。お前の直接の仕事ではないのに、手間かけさせて悪かったな」
「ああ、その件は大丈夫なんだが、今日兄貴に話があるから夜時間作って欲しいんだけど...」
「相談か?」「そうじゃなくて、優海が兄貴と話があるらしい...」「あ、わかった。今日は、会食もないから大丈夫だと思う」
「久遠、やっと探していたあの子に会う事ができたよ。変わってなかった。あの時と同じうつむきがちだったけど、純真な眼は変わっていなかった」
琉生は真摯な表情で久遠に告げた。
「兄貴、あの子に会えたのか?」「ああ、やっと話すことができた。あのネックレスも大切に持っていてくれていた」
「そうか...」久遠は黙ってしまった。
「もう、5年もたってしまったから。会えないと思っていた」久遠は少し苦しそうに顔をゆがめた。
「じゃあ、今日19時に『ディアモンテ』に来てくれよ。待ってるから」久遠は静かに出ていった。
琉生は少し早く『ディアモンテ』に着くと、もう個室に優海が待っていた。
「琉生君、ごめんね。来てくれてありがとう」琉生はテーブルに二人分しかセッティングされておらず、久遠は来ないことを悟った。
「もしかして、久遠は今日来ないの?」「当たり前だよ。なぜ婚約者の食事に久遠が来るのよ。私、楽しみにしていたんだから早く食べよう」
「優海、前から言ってるけど俺たちは正式に婚約したわけじゃないだろ。親たちがそう思ってるだけなんだから...」「そんなことより食事しよう」優海は静かに食事を始めた。
琉生は小さくため息をついた。