初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー
「おい、葉山今日はこの書類の訂正が終わるまで帰ることは許さないからな」「これは今日でなくてもいいですよね」
「なに?仕事もまともにできないの?どうせ何もないんだからいいでしょ」柚歩は言いたい気持ちをぐっとこらえて言われた仕事をこなしていたが仕事の合間に琉生に連絡した。
琉生には今日は仕事で行けなくなったことを残念に思っていた。

しばらくすると、琉生からすぐにメッセージが届いて、自分も遅くなるから気にしなくていいからと返事が来た。
終わったら、迎えに行くから連絡欲しいとメッセージが来ていた。
主任に言われた仕事を終わらせて琉生さんにメッセージを打った。すぐに琉生から返事が来て待ち合わせ場所で待っていた。
柚歩が待ち合わせ場所に急ぐと琉生は車から降りて待っていた。
琉生の車は誰でも知っている高級車だった。「お疲れ様。遅くにごめんね」「いえ、こちらこそ待っていただいてすみません」
「気にしないでいいよ。俺も仕事していたからお互い様だよ」琉生はニコッと笑顔で返した。
「嫌いなものはない?何がいいかな」「私は好き嫌いはないです。琉生さんにお任せしますが、あまり高いものはお支払いが...」
「なに言ってるの?俺が柚ちゃんに支払わせないよ。それに俺が誘ったのに...」琉生はフフッと笑って答えた。

柚歩は恥ずかしそうに横に乗っている琉生の顔を見て少し微笑んだ。
「柚ちゃんの笑顔って素敵だな。仕事が遅くなって疲れたけど柚ちゃんの笑顔が見れて一日の疲れがふっとんだよ」
やがて、一軒家を改装したようなきれいなレストランの前に琉生は車を止めた。

琉生はスマートに助手席のドアを開けてエスコートしてくれた。柚歩は初めてのことで固まって動けなくなってしまった。
「柚ちゃん、どうしたの?」固まっている柚歩に目を合わせた。「あ、いえ...」「ごめん。もしかしてびっくりした?」柚歩は小さくうなづいた。「大丈夫だよ。少し降りにくいだろうから、手を差し伸べただけだから遠慮しなくていいんだから」

「はい」柚歩は緊張しながらも手を出して琉生の手の上に自分の手をのせた。

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