初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー

「俺、正直夢諦めようと思ってたんだ。俺は長男だし、家を継ぐのは当たり前だったからでも、諦めきれなかった。ジュエリーデザイナーは小さい頃からの夢だったし、大好きなおじさんの作った素敵なデザインの指輪のようなものを作りたいってずっとおもってきたから。あの時、柚の言葉で決心できた」琉生は微笑んでそう言った。

いろんな話をしていると もう あっという間にデザートになってしまった。
「これからも、友達としてなら、食事に付き合ってくれるかな？」
「どうしたの 柚。今日は楽しくなかった？」「あ、いえ... ...」琉生と柚歩は聖と侑子にお礼を言ってお店を出た。
「また2人でゆっくり おいで」聖と侑子に見送られながら 駐車場に歩いて行った。「今日は遅くなったから送って行くよ。住所教えてくれる？」琉生はナビに柚歩の住所を入れて出発した。
「これでこれからも送る時行けるね」柚歩はこの次は ないと思っていたので琉生の言葉に驚いた。
「また、会ってくれるでしょ。友達なんだから...。ゆっくりでいいからね。俺はまた、柚に会いたいと思ってるからこれからもあって欲しい」柚歩はコクンとうなづいた。友達と言われてしまったら、断れなかった。

「琉生さん、私は琉生さんも知っている通り、凄く人付き合いが苦手です。私といても楽しいとは思えないです。
何で、私を誘ってくれるんですか？琉生さんにとって、何の価値もないのに...」
「俺にとって柚が価値がないなんてことは絶対ない。人の価値はそれで決まるものじゃないだろ。
そんな悲しいこと言わないで欲しい」「ごめんなさい。私自分に自信がなくて、琉生さんに迷惑かかるんじゃないか って本当に不安なんです。私といても楽しいとは思いませんし...」
「俺は 柚と話すのは楽しいよ。自分に自信が持てないのは俺も一緒だから。ゆっくりでいいから 柚のペースでいいから無理しなくていいからね」
私は、その琉生さんの言葉に少し落ち着きを取り戻した。