初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー
「葉山、何突っ立ったままでいるんだ。ほんと、お前は使えないよな。使えない奴は迷惑でしかない。死神でもちゃんと仕事するのに、お前は死神以下だな」先ほど、副社長に言われたことがよほど、腹が立ったのか、柚歩に八つ当たりを始めた。

「お前、さっき副社長に何言われたんだ。気にかけてもらってるなんて思うなよ」そういうと、自分のデスクにおいてあった書類の束を柚歩の机に置いて、
「これの処理が終わるまで帰ることは許さないからな。絶対にここから出るなよ。少しでも、俺の言うことを破った場合、どうなるかわかってるだろうな。お前、一人ぐらいクビなんて、おじさんに言ったら簡単にきれるからな」主任は脅し文句を並べて部屋を出ていった。
もう、柚歩の心はボロボロで立ってるのもやっと位だった。

今は身体よりも、心がしんどかった。

柚歩は自分が悪かったと自分を責めて、結局目の前にある書類を片付けるべく、机に向かい書類の書類を片付け始めた。
柚歩は仕事に没頭した。そうすれば、琉生のことを考えなくて済むと考えた。

何度か、スマホのメッセージアプリに連絡はあったが、柚歩はもう連絡することないと思っていたため、メッセージを見ることもしていなかった。

書類を作成して立ち上がった時、立ち眩みに襲われ棚にぶつかってそのまま意識を手放した。
その時一瞬、柚歩は愛しい人の声が聞こえた気がしていた。

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