初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー
琉生は真剣に優海に話しかけた。
優海も耳を傾け、少しずつ話し出した。
「私は、今心の整理をつけようと思っても、なかなかつけれない。両親も琉生君との婚約は喜んでいてくれたから...。たとえ正式に婚約してなくても、私はずっと琉生君しか考えられなかったし、結納の話も出ていたから...。...でも私本当は気付いていたんだ。私に対する思いが琉生君にとって恋愛じゃないことを...。私はずるいよ。ずっと琉生君を婚約者という言葉で縛りつけていたのだから...。ごめんね。もっと早く解放してあげられたらよかったのに...。私の一人よがりな思いに付き合わせてしまって... ...。私から、お父さんやお母さんおじさんやおばさんに話しておくから。...心配しないで...」
琉生は小さくうなづいた。優海は目に涙をためながら、
「ごめん。このままだったら琉生君との関係が切れてしまうようで嫌だから...。私もう帰るね」優海は強がっていった。

琉生は優海が部屋を出ていくのをじっと見ていた。

それから、しばらくして琉生は両親に呼び出された。
両親にも自分の本当の気持ちを真摯に話してやっと納得してもらい、優海の両親にもきちんと謝罪をしてわかってもらった。

優海は本当はわかっていた。でも、自分の気持ちの整理がなかなかつけれなかった。いつかは琉生のことを縛り付けるのではなく離れなくてはならないと思っていた。
そのためには琉生の好きな人に会いたいと思っていた。この時は知らなかった。自分と彼女に深いつながりがあることを...。

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