初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー
優海は助けてくれた彼女が大輔の会社で働いてることをつき留めて、大輔に連絡した。大輔とは琉生を通して面識はあったからだ。

「大輔さん、お尋ねしたいことがあって連絡しました。あの、葉山柚歩さんのことについて... ...」「どうして、優海ちゃんが葉山さんのことが知りたいのかな?うちで働いている社員の個人情報をそう簡単に教えるわけにはいかない。それは優海ちゃんの会社でも同じでしょ」優海はそう言われて言い返せなかった。「でもね、葉山さんに確認してならいいとは思うんだけど...。優海ちゃんはこの間助けてもらったお礼がしたいんだよね。琉生から聞いてるよ。一度、葉山さんに聞いてみるからすぐには返事できないと思うけど待ってもらっていいかな」大輔が都合のいいように勘違いしてくれたおかげで連絡してくれることになった。大輔との通話を切ってその後小さくガッツポーズをした。

柚歩と話ができる喜びに打ち震えていた。
だが、大輔からの返事はいいものではなかった。
「優海ちゃん、ごめんね。力になりたかったけど、葉山さん自身がお礼は結構です。って言っててこれ以上は力になれないかな。葉山さんがいいって言ってるからね」優海は大輔が誤解しているのをわかっていながら利用したのがいけなかったのかと反省していた。優海は直接会えないなら偶然を装って会う事を決め、柚歩の退社時間に合わせて大輔の職場近くのカフェで待っていた。柚歩の姿を見つけるとすぐにでもいけるように...。なんだかストーカーの様だと自分でも苦笑しながらそれでも琉生の選んだ柚歩のことを知りたいと思う気持ちの方が大きかった。
そんなことを考えていると、柚歩が出てくるのが見え、すぐに声をかけた。

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