初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー

「待たせて悪かったな。行こうか」要は少し前を歩いて店に入った。
「ここはサーモンサラダが最高なんだよ。美味しいから一度食べてみてよ」柚歩は要のおすすめのサーモンサラダと和風パスタを注文し、要も同じものを注文した。

「ドレッシングも最高でここに来ると絶対にたのむんだ」柚歩と要が食事を初めてしばらくすると、甘えた声が聞こえてきた。

「あ、小柳さん。ランチですか?わたしたちと一緒に食べませんか?」柚歩の存在を無視するように要に話しかけた。
「小柳さんこっちで、ご一緒しませんか?小柳さんとお話したいんです」それは秘書課の沢城麗華だった。麗華は柚歩のことを睨みつけていた。

「今は葉山と食事しているので、申し訳ありませんが今日はすみません」要は丁寧に話した。「私は大丈夫ですから、沢城さんとご一緒されてもいいですよ。私はもう先にもどりますので」立ち上がった柚歩の袖を引っ張って止めた。
「俺に任して」麗華に向きなおすと少しきつめに要は言い放った。
「食事中に邪魔しないでください。失礼ですよ?」麗華は柚歩に対してキッとにらみつけると、自分の席に戻っていった。

「ごめんな。また、葉山が責められるかもしれないな」「大丈夫です。気にしてませんから」要は柚歩に言った。

「葉山も言われてばかりじゃなくて言い返さないと何もかわらないぞ。そろそろ、戻ろうか?」二人は席を立ち、要が会計をスマートに済ませた。

「お支払いします」「今日はお礼に付き合ってほしいって言ったからいいよ。そんなに気になるなら今度おごってよ」
柚歩は返事ができずに下を向いた。

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