訳あって仲いい双子です!
―美奈川くんだ。
美奈川くんは席がはじっこだから、
隣の女子は必然的に私だけになる。
だからザワザワしていたのかー。
隣の女子は地味女で、しかも独り占めできる席。
案の定「席替え開始!」と先生が言ったとたん
芹沢さんが「席を変わって!お願い‼︎」と
頼んできた。
取り巻きの子もそうそう!と口を揃える。
芹沢さんはクラスの女子、いや学年の女子の中心だ。
美奈川くんのファンで、ファンクラブの会長を務めているほどだ。
芹沢さんを敵に回すほど堂々とした人間ではない
私はいいよと言おうとしたら「どうしたの?」と美奈川くんがこっちに来て言った。
芹沢さんは頬を赤らめながら
「あのね、私朝陽くんの隣になりたいから
雛ちゃんに代わってもらうところだったの♡」と言ったら
そうだよねっと言ってと促すように私を見た。
そうだよって言おうとしたらまたもや美奈川さんが先に口を開いた。
「そっか。隣になって欲しいと言う気持ちは嬉しいけど、
そんな理由で席を代わってもらうのはおかしくない?」
そしたら芹沢さんは別の意味で顔を赤くした。
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