魔女のガールズトーク・わがままな純愛(おまけの小話)
レリアは、小瓶をケイレブの手に押し付けた。
「スプーン、半分くらいね。
速攻で効くから」

「レリア・・!レリア・・!」

サリナスの声が、王宮の方からする。レリアはその声に、あわてるように

「夕食後、ユリア様と勉強会なの。昨日、さぼっちゃってさぁ
ユリア様は明日も、朝から打ち合わせだから、
客間に泊まるんだけどさ・・」

そう言ってから、
少し間をおいて、王宮の方を見た。サリナスが、もうすぐここに来るのだろう。

「ケイレブ、ユリア様に伝えてくれないかな。
今晩の勉強会は、サリィが呼んでいるから、行けないって」

レリアは、ペロッと舌を出した。

「お前の用事なら、自分で言え・・」
ケイレブは、言いかけたが、

レリアの<このチャンスを逃すのか、バカ>という視線に気がついて
「ああ、わかった。俺から伝える・・・」

急いで、緑の小瓶を、上着のポケットに入れた。
レリアの気が変わる前に・・・・

「ああ、未来の旦那様が、呼んでいるわ、
失礼あそばせ、ケイレブ様」

レリアは、気取って言うと、
スカートの裾をワサワサさせて、
木立を、駆け抜けて言った。

ケイレブは、一人取り残された。
ユリアのいる王宮の2階の窓を、
ずっと見つめていた。
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