魔女のガールズトーク・わがままな純愛(おまけの小話)
ケイレブの決意
<夕食>
王宮の食事室で、ケイレブは
サリナスと一緒に、夕食を取っていた。
「フェンネル領の事業計画なのだが」
サリナスが、今後の商売について、話題を振った。
「ああ、前にも言ったが、
薬草と薬の調合について、今調べさせている。」
ケイレブは肉を口に放り込んで、
よく、噛まずに飲み込むと、
すぐに答えた。
本当は、落ち着いて食事なんて
していられない。
サリナスは、ワインで口を湿らせて、
「そうか、レリアも、薬草の自生場所には、詳しいからな。
あと、薬草リキュールとか、
香辛料入りのワインも有望そうだ」
ケイレブは、ポケットの小瓶に手をあてて、そっと確認した。
サリナスは・・
あのチビ魔女に、押し倒されたのだろう。
そう考えると、おかしい。
魔女は、興味がなくなったら、
男の記憶を消去して、ポイッと
すてるのだろう。
気持ちが、ざわざわする。
ユリアは・・
俺を捨てるのだろうか。
ケイレブは、一気にワインを、
口に含み、
<今晩、ユリアは客間にいる>
と、レリアの言葉とともに、飲み下した。
ワインは甘く、苦味を感じる。
「悪い、俺はこれから用があるから、帰るわ」
ケイレブはそう言って、立ち上がった。