君のおとうとじゃない。
エピローグ
 あれから三年後。

 私は今、アパレルのお仕事をしながら一人暮らしをしている。
 
 今住んでいるアパートの鍵をふたつ、大家さんから渡されたから、岳に一本渡してある。きっと彼が高校を卒業したら、一緒に暮らすんだろうなぁ。

 結構な割合で、私が仕事を終え、家に帰ると彼がいて、ご飯を作ってくれている。ちなみにメニューは、私の好きなカツ丼が七割ぐらい。

 彼は高校三年生になって、私よりも大人っぽくなった。しっかりしているから、最近は色々頼っちゃう。
 あ、でも昔から頼っちゃってたかな?

 ふたりの関係は、姉弟から恋人になった。
 私にとっての彼は、完全に義弟の存在ではなくなった。

 彼は私の事、一回もお姉ちゃんだと思った事はないらしいけれど。
 
『妄想告白シチュエーションノート』は、『リアル胸キュンノート』になった。

 岳が胸キュンな事をしてくれた時、その内容と感想を書くの!

 今三冊目!

 彼はたまにこっそり読んでいる。

 なぜ分かるのかというと、今でも本棚の本は色順に並べてあり、たまに、ノートは違う色の場所に戻されているから。

 そして、読んだと思われる日は、岳の表情がぽかぽかしている気がする。
 いつの間にか、このノートを彼が読むって事を意識しながら書くようになった。

「よし! 今回の分、書けた!」

 読んだ彼の心がキュンとしてくれるのを想像しながら、静かにノートを閉じた。
 
< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

イケメン俳優パパ『生田 蓮』に恋をして――。

総文字数/29,226

恋愛(純愛)47ページ

表紙を見る
君のためのウエディングドレス

総文字数/7,353

恋愛(純愛)16ページ

表紙を見る
演歌界のイケオジ『神月京介』の恋心

総文字数/10,502

恋愛(純愛)21ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop