秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
ところが、私が門番に声をかけるよりも一瞬早く、名前を呼ばれた。声のした方に顔を向けると、王宮の前庭をこちらに向かって颯爽と歩いてくる青年の姿が、金の格子門越しに見えた。
……うわぁ、アズフィール様だ。
いち女官の出迎えに、王子様が直々にやって来たことに驚きが隠せない。ついでに、予想外に早いラスボスとの対面に、意思とは無関係に私の頬は引きつった。
アズフィール様が門番に指示し、門を開けさせる。
ゆっくりと開いていく門をなんとも言えない思いで見つめていたら、アズフィール様は門が完全に開ききるのを待たずトンッと大きく踏み出してきて、私の手から鞄を取り上げた。
「えっ?」
咄嗟のことに理解が追いつかず、キョトンとして立ちつくしていると、アズフィール様は私の鞄を持ったままくるりと背中を向ける。
「ついて来い。君の部屋に案内する」
背中越しにつっけんどんとも思える言葉を残し、アズフィール様は王宮へと続く歩行路を歩きだしてしまう。
……うわぁ、アズフィール様だ。
いち女官の出迎えに、王子様が直々にやって来たことに驚きが隠せない。ついでに、予想外に早いラスボスとの対面に、意思とは無関係に私の頬は引きつった。
アズフィール様が門番に指示し、門を開けさせる。
ゆっくりと開いていく門をなんとも言えない思いで見つめていたら、アズフィール様は門が完全に開ききるのを待たずトンッと大きく踏み出してきて、私の手から鞄を取り上げた。
「えっ?」
咄嗟のことに理解が追いつかず、キョトンとして立ちつくしていると、アズフィール様は私の鞄を持ったままくるりと背中を向ける。
「ついて来い。君の部屋に案内する」
背中越しにつっけんどんとも思える言葉を残し、アズフィール様は王宮へと続く歩行路を歩きだしてしまう。