秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
さすがに王子とまでは思っていないだろうが、ブロームは簡素な装いに身を包んだ俺の身元を的確に言い当てていた。……なるほど。メイサが長じても親しくしているだけのことはある。観察眼の鋭い、賢い男だ。
……あるいは、メイサは少なからずこの男に心を寄せているのだろうか?
想像すれば、憤怒が胸に木霊する。
「……君は、メイサのことを?」
意図せず口を衝いて出た俺の声は、唸るように低かった。
俺はあえて『どう』とは口にしなかったが、尋ねるまでもなくブロームの目はメイサを想う男のそれ。
ブロームは真っ直ぐに俺を見据え、自嘲気味にフッと微笑んで口を開いた。
「あなたは残酷な人だ。市井に交じり、気さくに庶民と交流を重ねていても、メイサは高位貴族の令嬢だ。僕には遠い、とても遠い……。彼女を手にしようなど考えたこともない」
ブロームにとって最大の枷が身分。逆にいえば、身分という障壁があって、俺はこの男とメイサのことを争わずに済む……。
……あるいは、メイサは少なからずこの男に心を寄せているのだろうか?
想像すれば、憤怒が胸に木霊する。
「……君は、メイサのことを?」
意図せず口を衝いて出た俺の声は、唸るように低かった。
俺はあえて『どう』とは口にしなかったが、尋ねるまでもなくブロームの目はメイサを想う男のそれ。
ブロームは真っ直ぐに俺を見据え、自嘲気味にフッと微笑んで口を開いた。
「あなたは残酷な人だ。市井に交じり、気さくに庶民と交流を重ねていても、メイサは高位貴族の令嬢だ。僕には遠い、とても遠い……。彼女を手にしようなど考えたこともない」
ブロームにとって最大の枷が身分。逆にいえば、身分という障壁があって、俺はこの男とメイサのことを争わずに済む……。