秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 彼女の戸籍は、父親の欄が空白になっている。頭の古い貴族らは今も必要以上に血を重んじるから、父親不明のメイサは名門の令嬢でありながらやや難しい立場にあった。俺自身はそれを彼女を妃にする障壁とは思っていないし、仮にメイサを軽んじる者がいれば俺の持ち得るすべての力でもって捻じ伏せる。
 ここでの論点はそれではなく、そんな状況に置かれた彼女には、社交界で気を許せる友が少ないのだ。
 身分に胡坐をかいた無能者が国政を牛耳る時代は遠からず終わる。いずれ、才ある平民が国政の場に進出する時代が来る。もしかしたらその時、ブロームの台頭があるやもしれんな。
「それじゃあね、ブローム。さようなら」
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